
<日本酒の歴史>
『スサノオノミコト伝説』。ヤマタノオロチが8つの首をそれぞれ8つの壺に突っ込み、その酔い潰れたところを、スサノオノミコトが十握の剣で斬り殺す。この時造った酒は、「八塩折之酒」と呼ばれ、日本書紀に「汝衆菓を以て酒八甕を醸すべし」とあり、“衆菓”から果実酒とする説と、醸すを“噛みす”からの変化と見て、穀類を噛み砕いた製法、つまり日本酒に近いものだとする説に分かれているようです。
古事記と前後して、奈良朝時代(700年代)に編さんされたといわれる「播磨風土記」に「神に供えた糧が枯れて、かびが生じた」ので、「すなわち酒を醸さしむ」とあるのが、米を原料とした酒についての最も明らかな記述とされています。
有名な「魏志東夷伝」の「倭人の抄」(200年代)では倭人のことを「人性酒をたしなむ」と評し、喪に当たっては弔問客が「歌舞伎飲酒」をする風習があることも記されており、我が先祖が古くからお酒を愛していたことがうかがえます。
一説によれば、日本には古くから“民族の酒”ともいうべき民間伝承の酒があり、一方、大和朝廷の確立とともに中国の文化や技術を取り入れた“朝廷の酒”ができたといわれています。すでに平安初期には、現代の酒とほぼ変わらない製法でいろいろなタイプの酒が造られていたことが「延喜式」(900年代)に記されています。
やがて、江戸時代における“商人の酒”として商品化されるにいたるのですが、これは各地伝承の民族の酒の技法と朝廷の酒の技法とが交流して生まれたもので、現代にも通じる“酒屋万流”の時代が到来するのです。
日本酒は、独特の製造法が現在にも生きています。 そのひとつは、麹による糖化と酒母による発酵を同時に進行させる高度な製造法「並行複発酵」。しかも、アルコール分が20度程度も出るというのは日本酒だけ。
もう一つは、1800年代半ばになってパスツールが発見した“殺菌法”に先立ち、すでに室町時代(1400年代)において、しぼった酒を貯蔵前に65度程度に加熱、殺菌し、酵素の動きを止めて香味の熟成をはかる「火入れ」を行っていたという記録が残っていることです。
<日本酒の分類>
日本では酒は下記の通り3種類に分類でき、そのうち日本酒は、醸造酒にあたります。
分類 例醸造酒 日本酒・ビール・ワイン 蒸留酒 焼酎・泡盛・ウイスキー・ブランデー・ウォッカ・ジン・ラム 混成酒 ベルモット・リキュール・みりん・合成清酒
<日本酒の定義>
日本酒は使用できる原料が決められていること、その中に必ず米を使うこと、そして、濾すという工程が必ず入ってくるのが特徴であり、「酒税法第3条第3号」で規定されています。
「酒税法第3条第3号」
イ)米、米麹及び水を原料として発酵させて濾したもの。
ロ)米、水及び清酒粕、米麹その他の政令で定める物品を原料とし、発酵させて濾したもの。
(イ)、ハ)に該当するものを除く)
ただし、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む)の重量を超えないものに限る。
ハ)清酒に清酒かすを加えて濾したもの。
<特定名称酒>
特定名称酒には下記のように3種類有ります。
指定名称 使用原料 精米歩合 香味などの要件吟醸酒 精米歩合60%以下の白米と米麹及び水、またはこれらと醸造アルコールを原料として吟味して造ったお酒で、固有の香味及び色沢が良好なもの。 純米酒 白米,米麹及び水を原料として造ったお酒で、香味及び色沢が良好なもの。文字どおり、お米だけで造られたお酒。 本醸造酒 精米歩合70%以下の白米、米麹、醸造アルコール及び水を原料として造ったお酒で、香味及び色沢が良好なもの。
<特定名称酒の分類>
特定名称酒には原料米製造方法などの諸条件によって、さらに「清酒の製法品質表示基準」にある8種類に分類されます。
特定名称 使用原料 精米歩合 香味などの要件純米大吟醸酒 米、米こうじ50%以下 吟醸作り(精米歩合50%以下)、固有の香味、色沢が特に良好。 大吟醸酒 米、米こうじ 醸造アルコール50%以下 吟醸作り、固有の香味、色沢が特に良好。 純米吟醸酒 米、米こうじ60%以下 吟醸作り(精米歩合60%以下)、固有の香味、色沢が良好。 純米酒 米、米こうじ 精米歩合70%以下 香味、色沢が良好。 吟醸酒 米、米こうじ 醸造アルコール60%以下 吟醸作り、固有の香味、色沢が良好。 特別純米酒 米、米こうじ60%以下 香味、色沢が特に良好。 特別本醸造酒 米、米こうじ 醸造アルコール60%以下 香味、色沢が特に良好。 本醸造酒 米、米こうじ 醸造アルコール70%以下 香味、色沢が良好。
<醸造用アルコール>
清酒の原料として使用されるアルコールの事です。「普通酒」における酒の増量や、「特定名称酒」では純米の持つ“重み”を抑え、風味を整えキレの良さを際立たせる等の目的で添加されます。
清酒の醸造アルコールは澱粉物質や含糖物質を発酵させ、蒸留することで得られる「エチルアルコール(決して米由来のものではない)」であり、合成アルコールを一切使用しないことから、品質表示基準において「醸造アルコール」と呼称して明確に区別しています。しかし、所詮醸造用アルコールを使った日本酒は「カクテル」ということになってしまいます。
<なぜ醸造アルコールを使うのか?>
第二次世界大戦後、何もかもが欠乏した時代。食する米も無い時代ですから、当然、酒を造る米も極端に不足していました。戦時体制中、酒税確保の国の立場から、少量の米から多くの酒を造る方法がないかが研究され、仕込んだもろみに「醸造用アルコール」を加えてつくる、アルコール添加法(昭和17年に酒税確保のための国の政策として導入)が行われるようになりました。
特に醸造用アルコールを大量に添加し、糖類などで味をととのえる極端な増量法、いわゆる「三倍増醸法」(醸造用アルコールを大量に添加し、糖類などで味をととのえる増量製造法。昭和21年導入)も、戦後さかんに行われました。米不足の時代に苦肉の策として考え出されたこの「アルコール添加酒」は、現在も低コストで造ることができる酒として、ほとんどの酒蔵で造り続けられています。
良質の米が豊富に手に入るようになった現在、さすがに三倍増醸法とはほとんどの酒蔵が決別しましたが、それでもまだ日本酒の生産量の約15%は三倍増醸です。一方、造りの基本を大切にするいくつかの酒蔵はアルコール添加量に制限のある「本醸造」と呼ばれる造りに切り替えました。これは生産量の約17%となります。
しかし、日本酒の本来の姿が問われている今でも、日本酒の全生産量の約9割がアルコール添加酒(添加量が制限されている本醸造も含む)です。もはや日本の戦後は終わり、米の需給事情も全く逆転している中で、こと日本酒はまだ戦後を生きているような状況なのです。
しかし一方で、現在では一升一万円もするような高級酒でも醸造アルコールが加えられることが多いのです。これはわずかな醸造アルコールを加えると、すっきりと香り高くなり、酒を悪くする乳酸菌の増殖を防ぐ意味があるといわれます。その量は24%以下とされます。
<結局、純米酒がいいワケ>
とにかく、お酒を「安く大量に」造るためには「醸造用アルコール」を使ってしまう訳ですが、実はこれがクセモノ。体質にもよりますが、「日本酒を飲むと翌日頭が痛い…」一番の理由はここにあるのです。
確かに名の通ったおいしいお酒を造る殆どの蔵元でも「本醸造」は造っています。だからこそ我々飲む側がもっと知識を持ってお酒と向き合いたいものです。
同じ銘柄でも、原材料にははっきりした違いがあるのですから。
<一般的なお酒の製造工程>
玄米〜精米
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玄米の表層部や胚芽には、タンパク質、脂肪、ミネラル、ビタミン等栄養成分が多数含まれている。それらの成分は麹カビや酵母の栄養となるので、一方で必要な成分なのですが、あまり多すぎると製成酒に色や苦味、またはくどみをつけて、香味のバランスを崩してしまう。
そのため、お酒の原料は精米機を使って玄米の胚芽や表層部を削り取り、タンパク質、脂肪、ミネラル、ビタミン等の成分を少なくした白米を使用するのです。
お酒造りにタンパク質は特に邪魔になるのです。
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洗米
精米されたお米は一定期間(2〜4週間)おいてから糠を取り除くために水で洗う。高度に精米されたお米は水を吸収しやすいので、短時間で手洗いします。
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浸積
洗米されたお米はさらに吸水させるために浸漬タンクに入れます。 吟醸用のお米の浸漬は短時間の限定吸水を行うので、 ストップウォッチ片手の作業となります。
ここでの水分の過不足は良い麹ができないので、いかにして吸水をコントロールするかが杜氏の腕にかかっていのです。
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蒸米
お米は生のままでは、澱粉質が消化分解しにくいので、40分〜1時間程蒸して糊化澱粉にする。
適度に水を吸わせた生米を、蒸気で加熱することによって、酵素に分解されやすくなるように米の生デンプンをα(アルファ)化するのです。
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麹
麹は酒母、もろみにいれて米のデンプンを糖化していく役割を果たします。
■引き込み
蒸きょう後、34〜36℃に蒸米を冷やし、麹室の中で温度を均一にするため、 床の上に積み上げ、布をかけておく。
■床もみ(とこもみ)
「引き込み」後2〜3時間たって温度と水分が均一になったとき、蒸米を床の上にひろげ、種麹(黄麹菌の胞子)をふりかけ、よく混ぜる作業。「床もみ」の終わったときの蒸米の温度をもみ上げ温度といい、この温度は以後の麹菌の増殖速度を支配することになります。
床もみ後、約10〜12時間位経つと、表面が乾いて粒同士が互いにくっつき、かたい塊になっている。この堆積した蒸米を崩してよく混ぜる。この作業を「切り返し」といいます。
■盛り
「切り返し」後約10時間、麹菌の繁殖による白い斑点が見えるようになる。これ以上は麹菌の増殖による発熱で温度が高くなり過ぎ、増殖が止まってしまうので、堆積してある蒸米をもみほぐし、一定量(30kgほど)ずつ箱に入れ、温度調節をしやすくする。これを「盛り」といいます。
■仲仕事(なかしごと)
「盛っ」てから7〜9時間たつと品温が34〜36℃まで上昇する。この温度を1〜1.5℃下げるため、蒸米をひろげ6〜7cmの厚さにする。 これを「仲仕事」といいます。
■仕舞仕事(しまいしごと)
「仲仕事」後6〜7時間たつと、再度品温が37〜39℃まで上昇する。温度を1〜2℃下げるため、蒸米をひろげ、米層をつくるなど表面積を大きくし、品温の急昇を防ぎながら水分の蒸発を促すことを「仕舞仕事」といいます。
■出麹(でこうじ)
酒母麹は仕舞仕事後約12時間、掛麹は約8時間後に麹室から出して冷ます。「床もみ」から「出麹」まで全製麹時間は48〜50時間、掛麹で43〜45時間かかります。
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酒母(もと)
酒母は蒸し米、水、麹に酵母を加えたもので、もろみの発酵を促す酵母を大量に培養したもの。日本酒造りには、良い酵母が大量に必要なので、文字どおりの「酒の母」といえます。
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醪(もろみ)
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麹と酒母ができると醪(もろみ)仕込みに移る。仕込みタンクは昭和20年代くらいまでは杉桶が主流でしたが、現在はホーローかステンレスのタンクで、冷却装置がついたものも普及しています。
一度に大量の蒸し米や水を加えると醗酵などがうまくいかないので、清酒の仕込みは三回に分けます。これを「三段仕込」といいます。
一日目は「初添え」。翌日は仕込みはお休み。この間酵母はゆっくりと増えていくが、これを「踊り」という。三日目に二回目の仕込み(「仲添え」)をし、四日目に三回目の仕込み(「留添え」)をして仕込みは完了。
段仕込みは、雑菌の繁殖を抑えつつ酵母の増殖を促し、醪の温度管理をやりやすくするための独得の方法なのです。
この醪がやがて「原酒」となります。
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搾り
二十日ほどかけて発酵を終えた醪は、圧搾機で搾られ、酒と酒粕に分けられます。熟成した醪を圧搾することを「上槽(じょうそう)」、「槽がけ(ふながけ)」ともいいます。一般的には「ヤブタ式」と呼ばれる連続搾り機で搾るが、吟醸酒などは昔ながらの槽(ふね)で時間をかけて搾るところもあります。船の形をした圧搾機械が使われたことから、この名があるのです。
また袋に入れた醪を吊るしてしたたらせて搾る方法もあります。 これは別名「袋吊り(首吊り)」とも言われ、できた酒は雫酒(しずくざけ)と呼ばれることもあります。
採れる量は極極わずかで、鑑評会出品酒など特別な酒の搾りに使われる方法。非常に贅沢な搾り方です。
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濾過
清澄にしたお酒にも、まだ微細な粒子が混じっているので更に濾過。この際、活性炭を使用して、色や雑味を取り除く方法が一般的。
活性炭の種類も2000種類以上あり、どの種類を使用するかはその蔵のお酒に対する設計に基づいて選定されているといわれます。
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火入れ〜貯蔵
清酒を加熱して微生物を殺菌し、清酒の香味を変質させる酵素を破壊する操作のこと。熟成度を調節し、保存性を高める効果があります。酒を60〜65℃に加熱する火入れには二種類の方法があり、一つは蛇管やパネルヒーターを通して熱湯をくぐらせるものです。
もう一つは蛇管と違う方法で「瓶殺菌」といわれる方法。 瓶詰めが終了したお酒を瓶ごとお湯の中につけて殺菌する方法で、酒の成分を封じ込めることができてたいへん有効ですが、非常に手間のかかる重労働です。
そして貯蔵。また製成後、一切加熱処理をしないお酒を「生酒」といい、製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、出荷の際に加熱処理するお酒を「生貯蔵酒」といいます。精米から、並行複発酵、段仕込みというとても複雑な工程を経て、約六十日間をかけて、日本酒は誕生するのです。
<酒造好適米>
酒造りには、大粒(整粒千粒重26g以上)で軟質な米が良いとされている。米粒の中心に「心白」という軟組織をもっており、タンパク質、脂肪分が少なく、精米時の脱芽がしやすく、麹が造りやすく、原料利用率がよいなどにあてはまる米のこと。
好適米の代表的なものに山田錦、美山錦、五百万石、フクノハナ、高嶺錦などがあり、それぞれ軟質・硬質の性質を持ちますが、一概に好適米が良いというわけではなくて、むしろ産地あるいは米の出来・不出来で、また蔵元の技術、杜氏の流儀で選ぶべきものだと考えられます。
酒造好適米ではなくてササニシキなどの飯米を使用している酒もあります。充実した食用米などを酒造好適米よりも安い価格の分だけ より高度に精米して使用したほうが良いと考えている蔵もあるのです。
<山田錦>
山田錦は大正12年に兵庫県農業試験場において、山田穂を母に、短桿渡船を父として交配を行い、昭和6年に山渡50−7の系統名をつけられたが、昭和11年に山田錦と命名された。
整粒千粒重は26〜28グラムの大粒種である酒造好適米の中でも特に優れた酒造上の形質を有しているため、特定名称酒、特に吟醸酒以上の原材米として使用されている。
<亀の尾>
亀の尾は明治26年に山形県東田川郡の阿部亀治が、冷害時でも立ち枯れず登熟した稲から選抜した。明治30年代から昭和初期の中頃まで全国的に栽培され、神力、愛国とともに日本三大品種の一つであった。整粒千粒重が23〜24グラムの中粒種である。漫画「夏子の酒」のモデルの米。物語の中では新潟の話になっていたが、「亀の尾」が発見されたのは山形県庄内地方の余目町。
なお、カナまたは漢字名の品種は都道府県の公的機関や個人が育種、育成した米。カタカナは主として農林水産省の農業試験場で育種された品種と区別されていたが、最近では育種された品種から自由に命名できるようになった。
<「山廃仕込み」>
お酒の元になる酒母(もと)を作るには、水、蒸した米、麹、酵母に、通常は乳酸を加えますが、自然に乳酸菌の発生を促す方法を「生元(きもと)」と言います。
その際、米を櫂棒ですりつぶす重労働(山卸し)を伴います。そこで、この工程を廃止した方法を「山廃」と呼びます。「生元」「山廃」いずれも、濃厚で飲みごたえのある酒質になります。
<ラベルに記載されていること>
銘柄のほかに、原材料、製造年月、アルコール分などが記されています。また吟醸酒、純米酒、本醸造酒、生酒、生貯蔵酒などの表示。また各メーカー独自のランク付けとして、例えば、特選、上選、佳選などの表示をしている物もあります。
表示例 意 味特別〜〜 精米歩合などの通常の醸造方法より優れている本醸造や純米酒。「特別」な理由はラベル等でうたってないが、規定はない。 特選/上選/佳選 蔵元の任意による区別。自社のランク分類で用いているケース。 生元造り 低温下で麹、蒸し米、水を底の浅い桶に入れて櫂ですりあわせ、手数をかけながら乳酸の増殖、発酵を促すこと。これにより、自然の乳酸菌が造られ、強酸性下で雑菌を抑えながら、力強い優良な酵母を育てる。 山廃仕込み 「生元」の工程から「山卸し(半切桶に蒸米と麹と水を混ぜ、櫂ですりつぶす作業)」を廃止した酒母造りの、昔ながらの手法。じっくりと時間をかけて造る方法です。生もと同様、濃密でコクのある風味となる。 原酒 水を加えない酒で、アルコール度数が通常の15〜16度より2〜3度高めの酒。 生一本 一つの蔵で造られた酒だけを詰めたもの。 生酒/本生 通常、貯蔵前と出荷前の2回にわたって「火入れ(加熱殺菌)」をするが、一切火入れしない酒。爽やかさが特徴で、普通は冷やで飲む。 生貯蔵酒 火入れをしないで貯蔵し、容器に詰める直前に1回だけ火入れをして出荷する酒を「生貯蔵酒」という。搾ってから貯蔵・瓶詰めするまで火入れを行わないので、生酒特有の華やかな香りをそのままお酒に封じ込める。 しぼりたて 明確な規定がないもよう。「生酒」をこう呼ぶことが多い。 あらばしり(荒走り) もろみを搾る際に、一番最初に出てくる酒。生で出荷される。「しぼりたて」と呼ぶ場合もある。 寒造り 晩秋から春頃までの寒い時期を選んで行われる酒造りのこと。寒い季節は酒造りには理想的な条件が揃っており、酒の品質も最良となる。 ひやおろし 「寒造り(冬季に醸造)」し、一夏越させて出荷される。味がまろやかになる。 精米歩合 玄米を磨いて残った割合のこと。通常のご飯が90%だが、大吟醸クラスでは40%と言うのも珍しくない。酒造に不必要な部分を除去するために磨く。 製造年月日 上槽が終わった段階ではなく、ビン詰めされた日。
<お酒は二十歳になってから>
いくつかの埋由があります。
一・耐性の問題
早いうちに飲みはじめると、アルコールに対する耐性ができてしまいます。アルコールを分解する酵素には、「アルコール脱水素酵素」と「ME0S」という二つの酵素があり、このうち、ME0Sは日本人にはあまりないものなんです(だから日本人はアルコールが弱いといわれます)。ところがこのME0Sは、お酒を飲んでいると、薬の耐性のように、どんどんと増えてきます。つまり、早くから飲んでいると、お酒に強くなってしまいます。
二・成長の問題
ホルモンの関係など、大体二十歳になると、人間の身体はほぼ成長を終えます。その成長期にお酒を飲むということは、いろいろな意味で問題です。特に、成長するはずの脳細胞を逆に殺してしまうことになります。また、脳細胞は二十歳を遇ぎると一日、五万から二十万個の数が死んでいきます。そして、この脳細胞がたくさん死んでしまう時というのは、睡眠不足が続いている時とか、泥酔した時といわれています。
三・人生哲学の問題
若いうちは「イッキ飲み」など、無茶な飲み方をしてしまいがちです。常識のわかる年齢になってから飲むべきでしょう。
四・理性の問題
若いうちは、お酒によって理性を失ってしまい、犯罪に結びつきやすいという問題もあります。勉強もしなくなるでしょう。
<お燗>
温度を加えると旨くなるお酒が存在します。お燗の習慣は江戸時代中期以降一般的になり、現在へと続いています。お燗しておいしくなるものを「燗上がり」もしくは「燗映えする」と言います。
一般的に、純米酒系(吟醸、場合によっては大吟醸も含まれる)、本醸造系(燗して醸造アルコールを飛ばしてしまう)など低精米度のお酒が良いとされています。また、製法では「山廃もしくは生元」等の酸味や、アミノ酸度の強いお酒はお燗に向いていると言われています。
<地酒購入の実際>
1)地酒専門店で購入した方が良い。(一番いいのは蔵元から直取引なのは言うまでもありません)
2)あまり銘柄に左右されない(人の好みは千差万別)
3)店構えだけで判断しない(こればかりは酒の味と比例しません)
4)お酒の管理をチェックしましょう。
A)日の当たるところにお酒は置いていませんか?
B)冷蔵庫(1〜8℃)に入れてありますか?
C)ショーケースの中まで気を使われていますか?
5)店主さんはどれだけ酒のことを愛しているでしょう?
6)もし従業員がいるお店の場合、その従業員が薦めるお酒は自分で飲んで薦めていますか!?
<YK35って?>
良く聞くこの名称。これは酒材料の頭文字で、Y=山田錦(原料)、K=協会酵母、35=精米歩合35%との事。
そりゃ米の芯三割まで削れば大吟醸になりますが、近頃の品評会では、これでないと上位入賞はまず無理だとか…逆に全部YK35じゃ、芸が無いと思うのは私だけ?
<日本酒の成分>
表示例 意 味日本酒度 糖分などのエキス分の含有量を数値化したもの。プラス(+)になると辛く、マイナス(−)なると甘くなるとされている。しかし、酸度など様々な要素が絡むため、一概には言えない。 アミノ酸度 数十種類にも及ぶアミノ酸含有量を数値化したもの。味の濃淡の目安にはなる。1.0を基準にし、上が濃醇で下が淡麗。大吟醸は1.0程度ですっきり感じる。 酸度 コハク酸、リンゴ酸等の含有量を数値化したもの。味の濃淡に影響を及ぼす。1.5以上が濃醇、それ以下が淡麗の目安となる。 麹(こうじ) デンプン質物に、カビ類を繁殖させたもので、デンプン質物を糖化させる役割を担う。 酵母(こうぼ) 麹によって生じた糖分をエタノール(アルコール)と、炭酸ガスに分解する性質を持つ単細胞微生物。日本酒固有の風味、香味は酵母によって造られる。 酒母(しゅぼ/もと) 醪の発酵のもとになる種のこと。含糖質物を発酵させることができる酵母、あるいは、培養されたもので、含糖物質を発酵させることができる酵母に麹を混和したもの。 原材米 もろみに使われる掛け米。ほかに麹米や酒母米があるが、酒造好適米が良いとされている。
<酵母の種類>
酵母名 特 徴協会7号 華やかな香。吟醸以外にも広く使用。「真澄」で採取。 協会9号 吟醸で最も使われることが多い。独特のフルーティな香。熊本県の「香露」で採取。 協会10号 吟醸で多用。独特の吟醸香で酸少ない。採取場所不明。 協会13号 9号と10号の特徴を合わせもち、吟醸特有の香が高い。交配株。 協会14号 酸が少なく、あっさり系統。採取場所は石川県。 花酵母(秋田) 香り成分が協会酵母より倍以上で、香はかなり高いらしい。酸度が低く、膨らみのある味で後味も軽い。 山形酵母 協会9号と比べて香りは高く、味の切れがよい。花酵母より香りは低い うつくしま夢酵母 香りのバランスに優れ、協会9号より強い。酸度が低いため、味はきれいに感じる。 アルプス酵母 他県酵母、協会9号と比べて、含み香りが特徴。燗にも向くらしい。 静岡酵母 協会9号より華やかで軽い香り。糖度のバランスに優れ、辛口でもきれいで丸みを感じる。 熊本酵母 協会9号の原型。
<酒の香り用語>
用 語 意 味木香(キガ) 清酒の製造、貯蔵に杉材容器を用いたとき、わかる香り。樽酒の香りもこれになる。 袋香(フクロカ) 清酒の醪ををしぼる酒袋のにおいが異臭としてつく場合の香り。 つわり香 清酒の醪に雑菌が増殖したとき、または醸造中に火落ちしたときのにおい。 老ね香(ヒネカ) 主として麹に起因するにおい。老ね麹を用いたときに起こる。 びん香 清酒をガラス瓶に長期保存したときに起こる不快臭。日光による変質などが主な原因としてあげられる。 ろ過臭 清酒をろ過する場合、使用するろ過材料から移行するにおいを総称していう。 新酒ばな 新酒特有の香りで麹ばなともいう。この香りの原因は、主として麹に起因していると考えられるが、本体不明。
<清酒の産地表記>
清酒の全てがその産地で醸造されている場合、その産地を表記することができます。この表記があるということは、ほかの産地でブレンドされた清酒ではないことが証明されているということです。
<日本酒を飲むと太る?>
日本酒を飲むと太るという人が多いようですがそれは少し違います。日本酒もウィスキーもカロリーにはあまり違いはありません。実は日本酒を飲む人に美食家が多く(管理人も含めて?)、おいしいお酒と肴で食が進み、ついつい食べ過ぎてしまうからというのが実情のようです。
<火落ち>
アルコールが十数パーセントも含まれた清酒にも好んで棲む乳酸菌が繁殖した状態のことをいいます。これを酒を腐らせる火落菌(ひおちきん)といい、この菌が増えると、酒は白濁し、酸味をともなう特異な臭いが発生する。古い濁り酒などで、ヨーグルトのような臭いがしたら、この状態。
<たれ口>
搾りの過程で、袋からお酒が染み出し、溢れ出る口。またはそこからそのまま瓶詰めした酒。
<参考ウェブサイト>
福光屋ウェブサイト
有限会社 木川屋商店ウェブサイト
日本酒造組合中央会ホームページ
月桂冠ホームページ
日本酒に乾杯
その他